アルカリホスファターゼ〔ALP〕
alkaline phosphatase
基準値 110〜360IU/LP ニトロフェニルリン酸基質法
[検査データの読み方]
高度上昇 | 600IU/L以上 |
[しばしば認める病気]閉塞性黄疸(胆管癌、肝門部胆管癌、膵頭部癌、総胆管結石、Vater乳頭癌により胆汁の流れが障害されて出てくる黄疸)、転移性肝癌などで異常高値を示す。肝内胆汁うっ滞(原発性胆汁性肝硬変:中年女性)、骨の病気(癌の骨転移など)で上昇する事が知られています。 |
軽度中等度上昇 | 360〜600IU/L |
[しばしば認める病気]上記に加えて、胆道(胆汁の流れる道)への感染による狭窄、骨の病気(骨折、骨軟化症など)、薬物性肝障害、アルコール性肝障害、脂肪肝、うっ血肝、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、進行した肝細胞癌、悪性腫瘍、甲状腺機能亢進症。また生理的上昇(成長期(身長が伸びている時期に高い値を示すのは生理的)、妊娠、血液型B型、O型の分泌型など。 |
低値 | 110IU/L以下 | 遺伝性低ALP血症(希) |
[どうして異常値が出たのだろう?]:胆管や胆嚢の異常を示唆しています。すい臓がんや胆石は無いでしょうか?
アルカリホスファターゼ(ALP)は、γ-GTP、LAP、5'-ヌクレオチダーゼとともに、肝胆道系酵素と呼ばれる。 閉塞性黄疸や肝内胆汁うっ滞の指標として用いられる。 一方、肝内の占拠性、びまん性浸潤性病変の存在をも示唆しますので、肝機能障害の生化学的マーカー酵素として、広く肝胆膵の病気の指標となっています。 |
肝胆膵由来の疾患以外に、骨、胎盤、小腸由来のアイソザイムがあり、ALP高値の場合は、アイソザイム(酵素の細かい分類)の測定が必要であります。
[ワンポイントアドバイス]
(1)血液型B型、O型の分泌型では食後に生理的な上昇をきたしますので、原則として空腹時採血で行うべき検査であります。
(2)成長期(小児は成人の3倍)、妊娠後期(妊娠前の2〜3倍)には生理的に上昇します。
(3)男性のほうが若干高値をとる傾向があります。
(4)ALPが正常化すると身長の伸びが止まります。ALPの値が高い間にしっかり運動してください。