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血中クレアチニン[Cr] 
serum creatinine


基準値

・男性:0.61.2mg/dL

・女性:0.40.9mg/dL


[検査データの読み方]
クレアチニンの値を逆数
にすると、腎臓疾患の推移を見るのが容易になります。高血圧疾患とも密接に関連しています。

基準下限以下 0.4mg/dL
以下
[しばしば認める病気]妊娠、糖尿病の初期、長期臥床 
[時に認める病気]尿崩症。筋ジストロフィー、多発性筋炎、筋萎縮性側索硬化症など筋肉量が少なくなる疾患。
原因疾患の診断。比較的珍しい疾患群なので、通常の一般診療では病的意味合いは少ないでしょう。

軽度上昇 1.22mg/dL ()
[しばしばあるいは時に認める病気]脱水、心不全、ショック、糸球体腎炎、間質性腎炎、尿管結石、前立腺肥大、先端巨大症
問診
にて蛋白尿、血尿、糖尿病、高血圧、心臓疾患、腎臓疾患など聴取。
尿検査、クレアチニンクリアランス、腎臓の超音波検査、水分の出入りチェックなど。
中等度・高度上昇 2mg/dL
以上
[しばしば認める病気]腎不全
BUNKPCa、尿酸、血算の測定を行い、早期に腎不全対策を講じましょう。


[どうして異常値が出たのだろう?]まず腎臓病を疑う。

 クレアチニンは筋肉中のクレアチンの終末代謝産物であり、腎糸球体で濾過され、尿細管での再吸収や分泌が少ないのでGFR(糸球体ろ過率)の指標として用いられる。しかしながら、GFR2/3程度に低下しますまでクレアチニンには著変はないことに注意します。

すなわちクレアチニンの値が上がり始めたときには、すでにかなり腎臓病は進行してきているということを忘れないでください。

クレアチニンの上昇 病態
腎前性因子 脱水、ショック、心不全など
腎性因子 糸球体腎炎、間質性腎炎、尿細管障害など
腎後性因子 尿路閉塞など


 また筋肉量の増加
(先端巨大症など)があれば、クレアチニンは軽度上昇しうる。反対に、筋肉量が減少したり(長期臥床、筋ジストロフィーなど)、多尿(尿崩症など)でクレアチニンは低下します。筋肉量が減少した老人の高クレアチニン血症は若年者より腎機能障害が進行していますことが大変重要です。。


[ワンポイントアドバイス]
(1) 筋肉量に比例しますので、男性は女性よりやや高値。
(2)日内変動があります。肉食後上昇しますので、早朝空腹時が最も低い。絶食時は日内変動はみられない。



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