スギ花粉症の治療方針
アレルギー性疾患の第一は、アレルゲンの回避である。雑草は除草を行い、スギなどの樹木で遠方より飛散してくる場合は、花粉情報を得て晴天・強風の日は外出を控えたり、マスクや眼鏡で接触を避ける。花粉の付いた衣服や寝具は花粉を叩き落とすことが大切である。職業性花粉症では職場の環境改善が必要なこともある。 薬物療法は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、副腎皮質ステロイド薬の局所投与を行う。抗アレルギー薬はケミカルメディエーターの遊離を抑制したり、拮抗する作用があり、花粉シーズン開始1か月前から内服すると効果が高い。 根治療法として、原因花粉による特異的免疫療法(減感作療法)を行う。
重症度 | 軽症 | 中等症 | 重症 | 難治性 |
病型 | くしゃみ・鼻漏 鼻閉 | くしゃみ・鼻漏 鼻閉 | くしゃみ・鼻漏 鼻閉 | |
対症療法 | 抗ヒスタミン剤 ヒスタミン遊離抑制薬 |
遊離抑制薬 新抗ヒスタミン剤 局所ステロイド剤 血管収縮薬 |
局所ステロイド薬+抗ヒスタミン薬(併用) +抗コリン薬+血管収縮薬(併用) 時に手術 |
局所ステロイド薬+抗ヒスタミン薬+抗コリン薬+血管収縮薬(併用) 時に手術 |
基礎療法 | 抗原回避 減感作療法 |
抗原回避 減感作療法 |
抗原回避 減感作療法 |
抗原回避 減感作療法 |
1)花粉症シーズン1週間前より治療を開始する
2)症状改善後もすぐに投薬を止めないで、症状の推移を見守る
3)目の症状には点眼薬を用いる